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灘駅から北側へと緩やかな坂を上り、小さな路地に入って5分程。そこにひっそりと佇んでいるビルの一階に、私がひいきにさせていただいている“ワールドエンズ・ガーデン”という小さな古本屋さんがある。古本屋さんと言っても、そこができたのはちょうど1年前くらいだ。入口にある小さな暖簾をくぐれば、可愛い1匹の猫と、本が出迎えてくれる。私が数ある古本屋さんの中でもこのお店を気に入っている理由は、本を買った時に挟んでくれる栞にある。この栞はただの栞ではない。手紙のように小さく折りたたまれている便箋だ。開くとシンプルな線が引かれていて、後は何も書かれていない。この栞は読んだ後の感想を書くためのもので、その本に対して思ったことを余韻が残っているうちに書いてほしい、そんな思いのこもった栞らしい。私は、この説明書きを見て、ここのオーナーの人は、本当に本が大好きなのだな、と感動した。確かに見渡してみれば、一つ一つの本が丁寧に置かれている。本自体は古いけれど、人の手が行き届いている感じがするのだ。雰囲気もとてもよく、気軽に入れる素敵な店である。駅からも近いので、灘駅に来たときにでも、ぜひ一度立ち寄ってみてはいかがだろうか。

 

おすすめ書店、教えます。

おすすめの本屋を紹介するこのコーナー、トップバッターはBrowsingに紀行文を寄せてくださった藤谷りほさん。

神戸の素敵な古本屋を紹介していただきました。

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